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2007年6月

第9号 浦島物語(1)

♪昔々浦島は・・・♪でお馴染みの浦島太郎のお話。この話が日本に登場したのは、実は今から1287年前に書かれた「日本書記」。それが時代とともに色々と変化して、今日皆さんがご存知の♪昔々浦島は・・・♪となったのです。(先ずここで「えっ、本当?」と思われるのは正直な方)
今回は、この浦島太郎物語の成立から変遷の歴史をご紹介したいと思います。

浦島年表
AD713年 日本全国に、各地の風土記を撰上せよとの勅命
715年 丹後の国司、伊預部馬養連が丹後風土記を記し、これを朝廷に撰上。
    この中に,「浦の島子」の話として、釣りに出て龍宮に行き、300年を経て帰還した浦の島子の話を記載。
720年 「日本書記」刊行。この中に「浦の島子」の話が登場。
要約すると、『海に釣りに出た島子が五色の亀を釣り上げるが、船べりに放り出して居眠りをして、ふと目を覚ますと、絶世の美女が船に坐っていて、「私は仙界の亀姫です。あなたを慕っています。私の国に来て結婚して下さい」と誘われる。島子が同意すると、船はたちまち仙界に。そこで亀姫の両親の許しを得て結婚。三年も経ったころ、ふと故郷のことを思い出し、玉手箱を貰って浜に帰る。しかし、知った人も無く、三百年ほど前に海に出たきり行方不明となっている島子が居たらしいと言われる。途方にくれて、禁じられていた玉手箱を開くと、かぐわしい姿の亀姫が煙と共に天上に舞い上がって、姿を消す』。
759年 万葉集に「水江の浦の嶋子を読む一首」と題した詩が掲載される
825年 第53代、淳和天皇(823~833)が、日本書紀に書かれた「浦の島子」の話に感動して、浦の島子を「筒川大明神」と名付け、丹後半島の筒川(今日の京都府与謝郡伊根町)に小野篁を遣わし、浦島太郎を祭神とする『宇良神社』を造営させ、奉納する。現在も同地に現存している。
1500年頃(室町時代) お伽草子に「浦島太郎」として登場。これ以前は「浦の島子」。
 ここまで来ると、「亀さんの説は本当らしいな」と思い始めるのでは?そして、
1892年(明治25年) 日本昔噺(巌谷小波)に、勧善懲悪(亀を助けて)の物語として登場。
1900年(明治33)  唱歌集に「浦島太郎の歌」登場(石原和三郎作詞、田村虎蔵作曲)
1903年(明治36)  国定教科書に「浦島物語」登場。

この様に、八世紀に誕生した物語が、明治の国策によって再登場し、今日一般的に知られている「亀を助けて、亀に乗って竜宮城に行った浦島太郎」となったのです。
私見ですが、原本の日本書紀では「姫に誘われて・・・」が、いつの間にか「亀を助けて・・・」となったのは、明治の中期、国を確立しようとしていた時代に、「武士の子である太郎が、娘に誘われてノコノコと付いて行って・・・」では示しが付かないので、「亀を助けて・・・」という「報恩感謝の物語」に書き換えて普及させたのではないでしょうか。
  
浦島太郎伝説は、日本の各地に存在しています。ここに揚げた丹後半島の伊根町以外にも沢山あります。
今から7年前の平成12年、この伊根町が音頭を取って「浦島サミット」「浦島シンポジューム」が開かれ、その時にリストアップされたのは、
 福島県いわき市
 埼玉県両神村
 神奈川県横浜市
 長野県上松町
長野県山口村
石川県松任市
京都府網野町
愛知県蒲郡市
愛知県武豊町
広島県尾道市
香川県詫間町
香川県仁尾町
沖縄県南風原町
沖縄県与那原町
沖縄県具志川市
の16ヶ所でした。
このサミットはその後、長野県上松町、愛知県武豊町で開催されています。

横浜市は神奈川区に「浦島町」「新浦島町」「浦島ヶ丘」「亀住町」という地名がまとまって存在し、「浦島を祀った廟」「浦島親子の記念碑」「浦島の墓」などがあり、山の中にある「寝覚めの床」で有名な長野県上松町には「浦島神社」「浦島博物館」が、隣村の山口町(今は岐阜県に併合)の木曽川の中洲には「乙姫岩」があります。また、香川県の詫間町には「亀を助けた浜」「亀が迎えに来た浜」「浦島が帰ってきた浜」「見送ってきた乙姫が滞在した浜」「浦島が老後を過ごした場所」「浦島親子の墓」などがあり、「浦島太郎さん」が観光案内をしてくれます。愛知県武豊町には「亀に乗って竜宮城に旅立った浜」「竜宮のあった場所」「浦島の墓」「玉手箱を収めた宝物殿」「浦島を運んだ亀の墓」「乙姫を祀った祠」等があります。丹後半島の西側、網野町にも「浦島が住んでいた場所」「浦島を祀った神社」「竜宮から帰って玉手箱を開け、しわくちゃになった顔のしわを引きちぎって投げつけた松」「乙姫神社」などがあります。このほかにも、鹿児島の最南端、長崎鼻に竜宮神社があったり、このあたりを中心に、古代の沖縄との繫がりを示すと見られる乙姫物語があったりします。 
横浜の浦島町辺りの浦島伝説は、当地の有力者が丹後の国司となって赴任した折に、倅の太郎が行方不明になり、泣く泣く任期を終えて帰国した。後日浦島太郎が龍宮から浜に戻って調べたところ、両親は神奈川の地に戻ったと聞いたので、この地に戻り、両親の供養をして過ごしたという物語が残されており、長野県の山の中、木曾の「寝覚めの床」の浦島伝説は、龍宮から戻るときに、玉手箱、仏像、巻物を土産に貰い、その巻物には空を飛ぶ術が書かれていたので、それをマスターして日本中を飛び回っていたが、この寝覚めの床が気に入ったので、ここを永住の土地と定めて、釣り三昧で過ごしたが、それに飽きて、ふと玉手箱を開けると、雲になって大空に舞い上がって行方知らずとなり、残された観音像をこの地に奉納した、と言われています。当地の博物館には「浦島が使っていた釣竿」「硯と墨」が展示されています。ここでも浦島が龍宮に旅立ったのは丹後半島だ、と述べられて居ます。
丹後半島には伊根町と網野町に浦島神社がありますが、松本清張の説によると、本命は網野町だそうですが、私は伊根町が本命のように感じています。

馬鹿な私めは、上記の全ての場所を見てきました。

次回には、浦島物語(2)として、この様に日本中にある浦島伝説、更には東南アジアやハワイにまで点在する「浦島伝説の秘密」についてお話してみようと思っています。お楽しみに!

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第8号・酒造米「亀の尾」

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  良い酒を造るのには醸造米が重要である。醸造米として一般的に知られている酒米としては「山田錦」「美山錦」「五百万石」「トドロキ早生」などがあるが、最近特に名高いのが「亀の尾」という酒造米である「亀の尾」は明治二十六年の秋、偶然とも言える優秀な三本の稲穂を阿部亀次が発見し、絶え間ない研究と努力の結果生まれた幻の米で、酒造りのほか、食用としても生産され、冷害や害虫に強い品種として東北地方を中心に普及したが、その後、品種改良が進むにつれ途絶えた。現在の銘柄米「コシヒカリ」「ササニシキ」「アキタコマチ」等のルーツとされる生みの親である。
 その後、1983(昭和58)年に新潟県の久須美酒造が、わずかに残っていた種のもみから酒造りに取り組み、銘酒「亀の翁(かめのお)」として世に出している。その過程は、漫画やテレビドラマ「夏子の酒」のモデルにもなり、一躍、脚光を浴びた。
 それとは別に、平成10年十月下旬、岡山県英田郡の農家が、国の減反政策が続く中、生き残り策として三年がかりで育て上げた米「亀の尾」を兵庫県姫路市にある田中酒造場に持ち込んだ。同酒造場は、全国新酒鑑評会で、七年連続金賞を受賞しており、「農家の励みになれば」との思いから持ち込まれた米で酒造りを開始。現在では「白鷺の城・亀」「白鷺城・亀の尾」などの銘柄で出荷されている。
 酒米「亀の尾」は現在では宮城、山形、岡山、鳥取など多くの地域で生産されるようになっている。この「亀の尾」を酒米として用いた蔵元・銘柄で目に付いたものを下記に記す。
いずれも大吟譲酒で、美味この上もない銘酒である。

◆酒米・「亀の尾」で造られた酒
     
1.亀の舞 秋田県能代市 喜久水酒造
2.小町のゆめ 秋田県湯沢町 木村酒造
3.亀の尾で造った純米吟醸酒 秋田県神岡町 福之友酒造
4.刈穂亀の尾仕込み純米吟醸酒 秋田県 刈穂酒造
5.福の友・亀の尾 秋田県神岡町 福之友酒造
6.亀ノ尾仕込・天の戸 秋田県平鹿町 浅舞酒造
7.七福神・亀萬歳 岩手県盛岡市 菊の司酒造
8.菊の司・亀の尾仕込 岩手県盛岡市 菊の司酒造
9.南部亀の寿 岩手県前沢町 岩手銘醸
10.亀ノ尾仕込・天の戸 秋田県平鹿町 浅舞酒造
11.四季の松島亀の尾純米吟醸 宮城県塩釜市 阿部勘九郎
12.宮寒梅・亀の尾仕込 宮城県古川市 寒梅酒造
13.亀の尾 新潟県和島村 久須美酒造
14.清泉 新潟県和島村 久須美酒造
15.両関「夢」秋田県湯沢町 両関酒造
16.岩手誉「宗任」岩手県前沢町 岩手銘醸
17.出羽桜・亀の尾 山形県天童市 出羽桜酒造
18.亀の尾・梅川 山形県余目町 鯉川酒造
19.亀の尾・恋の川 山形県余目町 鯉川酒造
20.亀仙人 山形県羽黒町 亀の井酒造
21.米鶴・うきたむ亀粋 山形県高畠町 米鶴酒造
22.上亀元 山形県酒田市 坂田酒造
23.米の力 山形県高畠町 米鶴酒造
24. 鳳凰金賞・亀ノ尾 栃木県 小林酒造
25. 壽萬龜 千葉県鴨川市 亀田酒造
21. 亀の翁 新潟県和島村 久須美酒造
22. 群亀 新潟県長岡市 関原酒造
23. 龜龜覇 滋賀県新旭町 上原酒造
24. 白鷺の城「亀」兵庫県姫路市 田中酒造所
25. 白鷺の城「亀の甲」兵庫県姫路市 田中酒造所
26. 白鷺城「亀の尾」 兵庫県姫路市 田中酒造所
27. 亀甲 壹拾八「寿亀」兵庫県姫路市 田中酒造所
28. 亀五郎 島根県温泉津町(酒仙蔵人五郎の会)
29. 伴農繁醸・亀の尾 広島県甲奴町 山岡酒造
30. 瑞冠 広島県甲奴町 山岡酒造
31. 亀かくし 広島県甲奴町 山岡酒造
32. 萬年亀 福岡県三潴町 萬年亀酒造場
33. 亀の尾 福岡県 伊豆本店
34. 亀の井・玄亀 大分県玖珠町 亀の井酒造
醸造米に亀酔という銘柄もありました。山形県高畠町の米鶴酒造から『亀酔』という銘柄で出されています。

こんなことを調べていると、ついでに「亀」の名の付く酒蔵(醸造元)はないかと確認したくなります。 
やはりありました。しかも大半は酒の銘柄に「亀」を用いていました。
記載順は、蔵元名、所在地、銘柄

◆「亀」酒造元
1. 亀の井酒造 山形県羽黒町 亀の井・くどき上手・亀仙人
2. 亀屋酒造 福島県原町市 亀の花・八塩折之神酒
3. 亀田酒造本家 千葉県鴨川市  寿萬亀
4. 神亀酒造 埼玉県蓮田市 神亀・ひこ孫
5. 笑亀酒造 長野県塩尻市 笑亀
6. 亀屋酒造店 長野県 亀波
7. 亀田屋酒造店 長野県 金蘭亀の世
8. 初亀醸造 静岡県岡部町 亀・初亀
9. 亀谷酒店 岐阜県美濃太田市 亀甲正宗
10.亀齢酒造 広島県東広島市 亀齢・亀どん
11.川亀酒造 愛媛県 川亀
12.亀岡酒造 愛媛県五十崎町 千代の亀
13.亀泉酒造 高知県土佐市 亀泉・麓亀泉・貴賓
14.池亀酒造 福岡県 池亀
15.萬年亀酒造場 福岡県三潴町 万年亀
16.亀萬酒造 熊本県津奈本町 亀萬・平家の里 
17.亀の井酒造 大分県玖珠町 亀の井

お酒にこれだけ「亀」が居るのだから当然焼酎にも、と調べてみたら、矢張り居ました、居ました。
取り敢えずは17種見付けました。

【焼酎の部】
1. やっとかめ(甲類焼酎)愛知県 はざま酒造
2. 大亀(粕取焼酎)福岡県粕屋町 光酒造
3. 亀(芋)宮崎県西都市 岩倉酒造
4. のろまの亀(球磨焼酎)熊本県一勝地 渕田酒造
5. 千亀女(芋・蕎麦)鹿児島県志布志町 若潮酒造
6. 亀五郎(芋)鹿児島県 吉永和久
7. おと姫(芋)鹿児島県 吉永和久
8. カレッタ(黒糖)鹿児島県 弥生焼酎醸造所
9. みんがめ(黒糖)鹿児島県 弥生焼酎醸造所 
10.亀ヶ丘(芋)鹿児島県 吹上焼酎
11.かめ壷仕込 さつま白波 鹿児島県枕崎市 薩摩酒造
12.かめつぼ仕込(芋)鹿児島県 さつま無双
13.かめ蔵 鹿児島県 さつま無双
14.酔亀(芋)鹿児島県 さつま無双
15.芋亀(芋)鹿児島県薩摩川内市 オカダマ酒造
16.無瀬の浜亀 鹿児島県薩摩川内市 オガタマ酒造
17.カメ鷲尾 鹿児島県 田村
18.かめ仕込み龍宮(黒糖)鹿児島県名瀬市 富田酒造場

◆ワイン tortoise creek(亀の入江?)南フランス産の赤ワイン ラベルは亀の夫婦がワインを一杯の絵

◆煙草 韓国に「こぶくそん」(亀)銘柄の煙草があるとのこと。

◆酒-亀(スッポン酒)
鼈(元かんむりに黽)魚酒(ユアニューチュウ)=スッポンを漬け込んだ白酒(パイチュウ・中国の焼酎)。薬用酒

Photo


このブログは、「亀」に関した種々の資料を提供するために始めたものです。
今回で第8回。一回の文章が長いので、最初の頃のものは下の方に隠れていますので、もう一度、第1号に記した全体のインデックスを採録しておきます。
『このブログの目的は、私が遊んでいる「亀百科」をご紹介し、皆様からも亀情報を頂きたいためです。凡その内容としては
① 苗字・名前の「亀」(済)
② お酒の銘柄の「亀」(済)
③ 亀に因んだ「浦島太郎の話」
④ 地名「亀」
⑤ 動物の「亀」の分類
⑥ 亀が出てくる「俳句」「川柳」「落語」「芝居」など
⑦ 亀鳴く、やっとかめ、カメハメハ、カメンライダー等々、「かめ」の付く言葉の辞書
要するに「亀の博物誌」の作成です』。

という流れで、次回は「浦島太郎物語」をご紹介します。「そんなの今更」と思われる方こそ是非見てください。
「お代は見てのお帰り!」きっと『甲羅から鱗!』ですよ!

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